00700 騰訊
銘柄名:騰訊(テンセント)Tencent Holdings Ltd.
銘柄コード:00700
もはや説明もいらないほど有名になった中国ITジャイアント(BAT)の内の1社。元々はペンギンちゃんのインスタントメッセンジャー「QQ」が爆発的に広がり一躍有名に。その他、通話やメッセージアプリ、オンライン・モバイルゲーム、SNS、電子書籍、電子商取引(Eコマース)、オンライン広告、金融業、フィンテック、自動運転、AI等、IT技術を基幹とする多岐にわたる分野の事業を手掛ける。
日本でもWeChat Payのこのシールをレジで見かけた方も多いのではないでしょうか?
最新動向
この銘柄については日々のニュースが多すぎてトレースしきれませんが、私が纏めるまでもなくニュースサイトをご覧ください笑
株価と主要指標
2019/7/28にUP
現在株価:370.2HKD
時価総額:3.55兆HKD
株価収益率(PER:Price Earnings Ratio):36.2倍
総資産利益率(ROA:Return On Assets):12.02%
株主資本利益率(ROE:Return On Equity):25.76%
配当利回り:0.27%
収益(売上)増加率 5年間平均:38.92
PEGレシオ:1.05
ベータ:1.23
株価純資産倍率(PBR:Price Book-value Ratio):9.58倍
損益
2019年4-6月期決算
2019年8月14日に2019年4-6月期決算(Q2)を発表しました。
2019年(Q2) 単位:百万RMB(人民元)
売上(収益):88,821(前期比+3.9%)
売上総利益(粗利):39,126(前期比-1.7%)
粗利益率:44.1%(前期:46.6%)
営業利益:27,521(前期比-25.1%)
純利益:24,136(前期比-11.3%)
売上高当期純利益率(ROS:Return On Sales):27.17%(前期:31.84%)
<セクション別の売上>
ゲーム課金:275億元
SNS課金:204億元(前年同期:169億元 前期:205億元)
オンライン広告:160億元(前年同期:140億元 前期:137億元)
フィンテック:231億元(前年同期:169億元 前期:214億元)
- Q2の売上は市場コンセンサスに届かなかった
- WechatのMAUは11.3億人(前年同期比7.1%増)で飽和してきている(新たな成長事業が必要)
- QQ:8.1億人(前年同期は8億人)、Qzone:5.5億人(前年同期は5.4億人)とMAUが減少
- 粗利が高いオンライン広告収入が振るわず(理由はTikTokで有名な字節跳動(バイトダンス)等の競合社に奪われているため)
- オンライン広告収入の伸びはわずか16%増であった(オンライン広告の不振は下期も継続するようだ)
- フィンテックビジネス事業が急速に伸びてきている(ただし現状は利益率が悪い)
- 音楽や映像配信といったストリーミングデジタルコンテンツ事業も今後の成長が期待できる
- 前年同期比でみると伸びているが、前期比でみると減速感が目立つ
ということで株価も低迷し、非常に苦戦はしてはいるのですが、下期はゲーム部門が盛り返す?と思っているので期待しています。また、テンセントが出資した企業のIPOが寄与してくるものも増えるでしょう。
2019年1-3月期決算
2019年5月15日に香港市場に上場するテンセント(騰訊)(00700)が2019年1-3月期決算を発表しました。
売上高:854億6500万元(前年比:16.23%)
営業利益:367億4200万元(前年比:19.71%)
純利益:272億1000万元(前年比:16.83%)
EPS:2.877元(前年比:16.49%)
引き続き成長の鈍化がみられます。市場のコンセンサスも割っていますし、証券会社各社も買い推奨は変わりませんが、目標株価を引き下げています。ただ、そろそろ規制で厳しかったゲーム部門が浮上してくると思いますので、業績も株価も伸びてくると思います。
2018年本決算
2019年3月21日に香港市場に上場するテンセント(騰訊)(00700)が2018年本決算を発表しました。
2018年(12/31/2018) 単位:百万RMB(人民元)
売上(収益):312694(前期比31.5%増)
売上総利益(粗利):142120(前期比21.5%増)
粗利益率:45.5%
営業利益:97648(前期比8.1%増)
純利益:78719(前期比10.1%増)
売上高当期純利益率(ROS:Return On Sales):25.17%
EPS:8.34元(前年比:9.70%)
配当:1HK$
権利落ち日:2019年5月17日
続いて4Qにフォーカスしてみると、
売上高は849億元ということで、対3Q比5.34%で増収していますが、
純利益が142億元となり、32%減の減益となっています。
この減益の原因はやはりゲーム規制の強化が響いています。審査が再開されたとはいえ、テンセントとネットイースのものはなかなか許可が下りない状況です。
これをカバーするため、ゲーム部門以外のクラウド、SNS、モバイル決済部門等がんばってはいますが、ゲーム部門の減速を補い切れていません。
とは言え、全体の売り上げ構成比率を見ると、ゲーム部門以外の売上が大きく伸びてきています。
ゲームの審査問題は時期が来れば何れ解決するでしょう。
その時、育てた他部門が大きく貢献するでしょう。
なので、引き続きテンセントは買いということに変わりはありません。
ただし、テンセントは世界を代表する大企業に成長してしまいました。
私がテンセントと付き合い始めた10年前とは違うのです。
そこを踏まえてテンセントとどう付き合うか考える必要があります。
2018年1-9月期決算
2018年11月14日に香港市場に上場するテンセント(騰訊)(00700)が2018年1-9月決算を発表しました。
売上高:2277億9800万元(成長率:32.93%)
営業利益:803億6000万元(成長率:24.44%)
純利益:644億9000万元(成長率:27.17%)
EPS:6.832元(成長率:26.71%)
続いて3Q(7-9月)です。
売上高: 805億9500万元 (成長率:24%)
営業利益: 278億6100万元 (成長率:22%)
純利益: 233億3300万元 (成長率:30%)
純利益は市場予想を超えています。先日香港市場に上々した美団点評が寄与しています。
ゲーム事業は減速していますが、他の事業で何とかカバーしているようです。
決算発表後、劉熾平総裁は今後はプラットフォームやコンテンツ事業への投資を拡大すると述べていました。
減速傾向のゲーム事業ですが、中国政府の規制により大苦戦を強いられているわけですが、こんなものはいつまでも凍結しているなんてことはあり得ません。中国政府もそんな馬鹿じゃないですよ。中国にとってテンセントは世界を代表する企業ですし、このまま衰退させるわけがありません。でもこの困難の壁がさらにテンセントを強くするのは間違いないでしょう。それはトランプの貿易戦争もしかりです。中国とはそういうお国なんです。と、風のうわさで聞きました。
2018年6月中間決算
2018年8月15日に香港市場に上場するテンセント(騰訊)(00700)が2018年6月中間決算を発表しました。
売上高:1472億300万元(成長率:38.66%)
営業利益:524億9900万元(成長率:25.50%)
純利益:411億5700万元(成長率:25.84%)
EPS:4.363元(成長率:25.38%)
正直かなり悪い決算でした。1Qが踏ん張っていただけに2Q(4-6月)がかなり苦戦した模様。
それでは、2Q(4-6月期)を見てみましょう。
売上高:736億7500万元
営業利益:218億700万元
純利益:178億6700万元
2Q(4-6月)のモバイルゲーム売上は前年対比では20%近く伸びているものの、前四半期(1Q)対比では20%近くに減少となっている。
2Qの売上高が市場予想を大幅に割っているのは、売上のコアであるゲーム部門の不振に他ならない。
直近のニュースで記憶に新しいが、カプコン(9697)のモンスターハンター:ワールドの販売差し止め報道。
中国が「モンハン」販売差し止め、テンセント配信 一部基準満たさず | ロイター
そして中国のゲーム認可機関がなんと承認を凍結。
中国当局のゲーム販売認可機関が承認を凍結―日本のゲームメーカーにも影響 | Game*Spark – 国内・海外ゲーム情報サイト
この他、
米エピック・ゲームズが開発した「フォートナイト」や、韓国のブルーホール(テンセントが出資しています)が開発したバトルオンラインゲーム「プレイヤーアンノウンズ・バトルグラウンズ(PUBG)の承認が未だ得られていない状況で、承認の目途も立っていない。
テンセント株の下落により、周辺も慌ただしくなっております。
米半導体株、もろに打撃被る-テンセント株下落でテクノロジー株混乱 – Bloomberg
ということで、先が見えない不安要素たっぷりな2018年2Qの決算発表でした。
直近は、「フォートナイト」「PUBG」の承認次第で業績も大きく変わってくるでしょう。
ただ、正直ゲームなんてものはそんなモノです。タイトル次第で業績は大きく振られます。
ゲームとはそういう特性を持っている事を改めて自覚する事が必要だと思います。
私がテンセントに期待しているのは実はゲーム以外の側面で、テンセントが積極的に進めるM&Aの収益に占める割合が増えてきています。
今後、テンセント絡みのIPOはどんどん増えてくるでしょう。
本年度は厳しいかもしれませんが、数年後は更なる成長をしていると思います。
2018年1Q(1-3月期)
2018年5月16日に香港市場に上場するテンセント(騰訊)(00700)が2018年1Q(1-3月期)決算を発表しました。
売上高:735億2800万元(成長率:48.39%)
営業利益:306億9200万元(成長率:59.26%)
純利益:232億9000万元(成長率:60.89%)
EPS:2.47元(成長率:60.36%)
すごいの一言。
前期心配されていたゲーム部門も、主力のゲーム「王者栄耀」の人気が持続していること、そして「QQ飛車」のモバイル版を投入したことによるモバイルゲーム収入が大幅に増加。
収益、利益共に市場予測を上回っています。
とは言うものの、収益についてはほぼ市場予測通りでした。
凄いのは利益の伸びが市場予測を大幅に上回っていたということです。
特に野村はEPSを30%増の1.94元と予測していて大外れw
全くあてになりませんな。
まあ、そんなことを言うとUBSも同じですがね。
一番テンセントに強気な判断をしているのはゴールドマン・サックスで、目標株価を546HK$としています。
今後の見通しもOKサインに変わりありませんが、ゲーム市場の浮き沈みは非常にサイクルが早いので、前期の懸念事項であるゲーム市場の苦戦については今後も注意が必要です。
さて、
近々テンセントの音楽配信部門「テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(TME)」は上場を予定していますので、今後の動向には注目しましょう。
2017年本決算
2018年3月21日に香港市場に上場するテンセント(騰訊)(00700)が2017年本決算を発表しました。
<損益計算書>
売上高:2377億6000万元(成長率:56.48%)
営業利益:903億200万元(成長率:60.92%)
経常利益:882億1500万元(成長率:70.82%)
純利益:715億1000万元(成長率:74.01%)
<配当金>
0.88HKドル(権利落ち日:2018年5月18日)
ここで、直近3年間の純利益率を見てみましょう。
2015年12月:28%
2016年12月:27.04%
2017年12月:30.07%
確実に利益率を伸ばしてきています。
ですがですね、2017年4Qの決算内容には不安材料がございます。
こちらの記事がわかりやすいかと(決算発表前の記事ですが)。
中国テンセント、17年12月期の決算発表へ 市場予想は純利益6割増 | News & Views | QUICK Money World
3Qと4Qの比較で、10~12月期は7~9月期を下回っていて、ゲーム市場の苦戦が指摘されています。
テンセントの収益はまだまだゲーム事業の依存度が高いので、投資家からするとまあ不安ですよね。
この決算発表を受け、シティが目標株価引き下げとのニュースがあり、どんだけ下げたのか恐る恐る見てみると・・・
538HKドルから532HKドルに引き下げ
って、こんな細かい引き下げでいちいちニュースにするなよ と。
538HKドルだろうが532HKドルでも変わらないよ。
2018年は投資が嵩み厳しいところもありますが、個人的にはストロングゼロいや「ストロングバイ」変わっていません。
ここ最近のトランプ貿易摩擦、Facebook情報流出ショックの影響で株価が軟調になるのならば、買い増ししたいですよね。
テンセントみたいな株は中々下がることがないので、調整局面で少しでも買っておきたいです。
そんなテンセントですが、近く中国本土のA株にも上場するかもしれません。
この動きは、アリババ(BABA)、捜狗(SOGO)、網易(NTES)も追随が予想されます。
直近のチャートはこんな感じです。
チャート提供元:Yahoo!finance
ではでは
あっ 最後におまじない。投資判断は自己責任でお願いします<(_ _)>
キャッシュフロー(CF)
2018年(12/31/2018) 単位:百万RMB(人民元)
営業CF:106443
投資CF:-151913
財務CF:35380
フリーCF:-45470
現金および現金同等物:97814
投資判断コメント
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