NASDAQ市場に上場するエヌビディアNVIDIA(NVDA)の直近業績を確認し、今後の成長を予測。
19年第4四半期(2018年11-2019年1月)
2019年2月15日に19年第4四半期決算(Q4)を発表しました。
売上高 22億0500万ドル(前年同期比成長率:24.3%減)
営業利益 2億9400万ドル(前年同期比成長率:72.6%減)
当期純利益 5億6700万ドル(前年同期比成長率:49.3%減)
EPS:0.92ドル
Q3の四半期決算時は、Q3の実績が市場予測を割っていたことと、Q4のガイダンスが大幅減収だったことから、失望売りでかなり株価を下げました。
この時のガイダンスを見てみましょう。
売上高:26.46〜27.54億ドル
EPS:1.32〜1.49ドル
という事で、Q3時のQ4ガイダンスより、さらに悪化したという事です。
2019 年会計年度の概要は、NVIDIAのプレスリリースから引用します。
財務情報 (GAAP ベース) の比較 | |||||
---|---|---|---|---|---|
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) | FY19 | FY18 | Y/Y | ||
売上高 | $11,716 | $9,714 | 21% 増 | ||
売上高総利益率 | 61.2% | 59.9% | 130 bps 増 | ||
営業費用 | $3,367 | $2,612 | 29% 増 | ||
営業利益 | $3,804 | $3,210 | 19% 増 | ||
純利益 | $4,141 | $3,047 | 36% 増 | ||
希薄後 1 株当たりの利益 | $6.63 | $4.82 | 38% 増 |
後半の減速が顕著です。
Q4を分野別にみると、ゲームの売上高が前年同期比45%減、データセンターは前年同期比12%増、プロフェッショナル・ビジュアライゼーションは15%増、自動車関連は23%増、OEMとIPは36%減という事なのですが、売上比率が大きいゲームの凹みが大きい。
ここまでゲームが落ちて着ると、データセンターの売上も匹敵するくらい大きくなってきてはいますが、データセンターの伸びは鈍化し飽和してきているように見える。
2020 年会計年度第 1 四半期については、以下のように予想されています。
- 売上高は、22 億ドル ±2% となる見込みです。
- 売上高総利益率は、GAAP ベースが 58.8% ± 0.5%、非 GAAP ベースが 59.0% ± 0.5% となる見込みです。
- 営業費用は、GAAP ベースが約 9 億 3,000 万ドル、非 GAAP ベースが約 7 億 5,500 万ドルとなる見込みです。
- GAAP ベースおよび非 GAAP ベースのその他の収益および費用は、約 2,000 万ドルの利益となる見込みです。
- GAAP 税率および非 GAAP 税率は、ともに 10% ± 1% となる見込みです (個別項目は除く)。GAAP ベースの個別項目は、四半期ベースで変動するとNVIDIAが予想する、株式報酬に関連した税制優遇措置の過不足を含みます。
引き続き、パッとしない 笑
ですが、ゲーム市場は中国の審査も再開され、最悪期を脱してきていると思います。
また注目のe-sportsのハードウェア銘柄でもあります。
同銘柄は引き続きトレースしていきます。
19年第3四半期(2018年8-10月)
2018年11月16日に19年第3四半期決算(Q3)を発表しました。
売上高:31億8100万ドル(前年同期比成長率:20.7%増)
営業利益:10億5800万ドル(前年同期比成長率:18.2%増)
当期純利益:12億3000万ドル(前年同期比成長率:46.8%増)
EPS:1.97ドル
ご存知の通りこの決算発表後から連日▲10%を超える暴落にあった次第です。
理由はQ3の実績が市場予想を割っていること、そして問題はQ4のガイダンスが前年同期比で減収であったことから失望売りをくらったという訳です。
まずQ3についての分野別売上を見てみましょう。
・ゲーム部門(Gaming):17.64億ドル(前年同期比13%増)
・プロ向け画像処理PC(Professional Visualization):3.05億ドル(前年同期比28%増)
・データセンター(Data Center):7.92億ドル(前年同期比58%増)
・自動車(Automotive):1.72億ドル(前年同期比19%増)
・OEM and IP:1.48億ドル(前年同期比23%減)
4半期決算で見ると、主力のゲーミング部門の成長が停滞しています。これはテンセント株価が下落している原因でもある中国政府によるゲーム規制が影響しています。テンセントの決算記事にも書きましたが、中国政府が世界的企業に成長したテンセントをこのまま衰退させることはあり得ません。世論的に規制する姿勢は見せておく必要があるので直近は厳しいかもしれませんが、喉元過ぎれば何とやら効果で解決するはずです。
今後主力になり得るデータセンター事業については順調に伸びています(ただし伸びは鈍化しています)。
自動車関連の収益はまだまだ寄与率が低いですがこれからでしょう。自動車は量産まで早くても4年かかるのです。
仮想通貨は、まあ元々大した割合でもなかったので放っておけば良いです。
さて、問題のQ4ガイダンスです。
売上高:26.46〜27.54億ドル
EPS:1.32〜1.49ドル
これは市場予測を大きく割り込んでいますし、はっきり言って私自身もまずい予測だと思っています。
Q2から悪化の兆候が見られ、Q3、Q4とどんどん悪くなっていますので、投資家の印象は非常に悪いです。
半導体株はボラが大きいです。購入するタイミングにより大きく運命が分かれますので余り初心者には向かないかもしれません。ただ、そんな株価の変動は短期的なモノであり、私が提唱する?長期投資には関係ないのです。NVIDIAはAMDとシェア争いはあるものの、人工知能用コンピュータではデファクトを取っていますし、長期的観点で考えると非常に魅力的な企業に変わりありません。
19年第2四半期(2018年5-7月)
2018年8月16日に19年第2四半期決算(Q2)を発表しました。
売上高:31億2300万ドル(前年同期比成長率:40%)
営業利益:11億5700万ドル(前年同期比成長率:68.2%)
当期純利益:11億100万ドル(前年同期比成長率:88.9%)
EPS:1.76ドル
2Qについては市場予測を上回る好決算でした。
全部門で増収増益を達成しています。
ゲーム部門:前年同期比52%増
データセンター部門:前年同期比83%増
プロフェッショナルビジュアライゼーション部門:前年同期比20%増
自動車部門:前年同期比13%増
しかし、3Q(2018年8-10月)の見通しが市場予測を割り込み、16日引け後の時間外取引で4%を超える下げ、そして17日の寄りでも3%近い下げではじまりました。
懸念材料は、仮想通貨のマイニング用GPUの需要が急減速しているということ。
一方、ゲーム部門、データセンター部門は市場予測を上回っており絶好調です。
Nvidiaもここ最近の仮想通貨バブル崩壊の影響を受けてしまったということなのですが、仮想通貨のニーズは元々特需であったわけで、そこに期待していた一部の投資家の失望分だけ株価が下がったということだと思っています。
半導体分野の地場があまりよろしくない今日この頃なので、ネガティブ要素はすぐに売り込まれますが、Nvidiaは今後も成長を続けるでしょう。
仮想通貨懸念より、こちらのニュースのほうがビッグニュースでしょう。
これ、凄いです。
NVIDIAの第8世代GPU「Turing」は、レイトレーシングとAI向けで2つのコアを採用 – MONOist(モノイスト)
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